庭で使う素材についてーその2
透水性のある素材を選ぶ
豊かな土壌を作るには、水が浸透すること、それに伴い土中の空気が動くことが欠かせません。また近年増えている水害への対策としても、土中へ雨水を自然浸透させることは有効と言われています。夏の暑さの低減にも透水性は重要です。
そのため、舗装をする際は、なるべく土へ水が浸透するものを選びます。自然素材だけでなく、環境負荷の低減を図った商品は多く開発されています。例えば緑化ブロックや透水性のあるインターロッキング等です。こういったものも取り入れながら、素材を選んでいます。
コンクリートについて
セメントと砂・骨材・水を混ぜて作られるコンクリートは人工物ですが、その中身は意外と化学的なものではなく、自然素材と言えるものです。大雑把に捉えれば、三和土も同じような組み合わせで作られています。
そのせいでしょうか、個人的にはコンクリートは独特の風合いがあり、素材自体の美しさを感じます。
透水性が無いのが残念なところですが、駐車場のように大きな負荷のかかる場所や土圧のかかる擁壁では強度のあるコンクリートは大変便利な素材です。洗い出し仕上げにして雰囲気を変えると意匠的な面でも楽しめます。コンクリートを多用しすぎる外構・庭は避けたいですが、必要な場所にコンクリートの素材感を感じられる形で使用しています。
金属について
庭で使われる金属にはアイアン(鉄)やアルミ、ステンレス、スチール等があります。アルミやステンレス、スチールは錆が出ないことから特に屋外使用に向いている素材です。金属についても、木材だけでは強度が出せないような門扉やフェンス柱に使用しています。
エノコロ庭園設計室では金属の錆を悪いものだと思っていません。アイアンの美しさをより引き立てるものだと感じています。薄いアイアンが錆びると腐蝕で折れることもありますが、厚みのあるアイアンでは表面のみが錆びても中までサビることはないので、強度の心配はありません。
どのような素材を使うかはどのようなデザインにするか以上に重要なものだと思います。どんなデザインも素材の美しさが無くては輝きません。たくさんの便利な素材がありますが、その中から自身の感性に合った素材を選ぶことが大切だと考えます。