バイオフィリアと本当の住み心地の良さ

樹木の下は自然と安心できる空間になる

バイオフィリアとは

バイオフィリア(Biophilia)という言葉をご存知でしょうか?「人間は本能的に自然との繋がりを求めている」とする考え方です。日本語でと「自然愛好」と言われたりしています。

バイオフィリアの考えでは、もともと自然の中で暮らしていた人類は、本能的にかつての住処であったような自然の中を心地よく感じるようになっているとされています。人間が自然から離れて暮らすようになったのは、歴史上ごくわずかな期間でしかないのです。人間は自然から離れた暮らしに適応しきれなくて当然かもしれません。

自然の中で得られる効能

就業環境によって、日中は室内にこもりきりになってしまう方も多いかと思います。週末だけでも自然を感じられる公園や山に行くと、ほっと心が安らぐように感じませんか?この癒される感覚は、研究でも実証されているものです。人間は自然の中に身を置くことで、ストレスや不安が低減したり、脳が休まったりするそうです。この感覚に心当たりのある方も多いのではないでしょうか?

最近では企業がバイオフィリアの考えを導入して、オフィスに観葉植物を取り入れるということも増えています。殺風景なオフィスで仕事をするよりも、緑を取り入れたオフィスの方が、ストレスが減り、生産性が高まるそうです。

人間が人間らしくいられる場所はどんな場所でしょうか

バイオフィリアから見た庭の役割

家族の住処である家にも、緑を感じられる庭があるということは大切だと考えます。家族がゆっくり体を休めるためには、やはり緑は不可欠でしょう。ここ数年の感染症対策による外出の制限も、庭があったおかげで助かった、というお話もよく耳にします。緑が見える景色は子どもの集中力を高めたり、衝動性を抑えたりする効果があるとも言われています。リラックスできる緑がある家庭では、家族の仲も自然と深まっていくのではないかと思います。

人の歴史を考えれば、自分たちの屋根のようになってくれる樹木があることは、本能的な安心感につながるはずです。植物があると放ったらかしにはできません。やはり手入れや掃除など、手を煩わされることはありますが、本当の住み心地の良さを作るには、やはり植物は必要不可欠だと言えます。家づくりをする際には、ぜひ庭を含めた本当の住み心地の良さというものを考えてみていただきたいと思います。